5/31東奥日報新聞に記載された記事によると、「原発と食の安全」と題した講演会の中で紹介されたといいます。
新聞記事によると、富山大学の名誉教授で医学博士の田沢賢次氏が、りんごに含まれる含まれる食物繊維(アップルペクチン)には、体内に入った放射性セシウムを除去する効果や、大腸がんの予防に効果がみられることなど紹介した。1986年のチュルノブイリ原発事故で内部被ばくした子供にアップルペクチンを与え、体内のセシウム137の放射能の量がどう変化するかを研究した学識者の論文を説明。通常の食事の場合、3週間後に13.9%減少したが、アップルペクチンも合わせて与えた場合は63.6%減少したという。田沢氏はりんご以外にも、ぶどうや海藻類などペクチンを含む食べ物を積極的に取ることが被ばく予防に効果的だと述べ、りんごの品種別では王林にもっともペクチンの含有量が多いことなどを紹介した。
記事の内容は以上です。
昔から、りんごを食べると医者要らずと言われてきましたが、りんごの効能には驚くばかりです。
6/29NHKのあさイチで「今知りたい内部被ばく」特集を組んで放送された番組内でも紹介されました。
田澤教授の講演内容の抜粋
りんごと健康
日本人とお腹には興味深い言葉がたくさんあります。「腹八分目に病なし」「大食大病」「夏は熱いものが腹の薬」など、私は外科医ですが25年間りんごの研究をしてきました。なぜ外科医がりんごの研究をしてきたかといいますと、りんごのペクチンが体内の悪玉菌を抑制することを見つけたからです。「これは大腸ガンに効く」と思いました。
人間を一本の木に例えると、木の枝をそれぞれの専門医が診断・治療するのが現状です。ところが病気は枝に問題があるのではなく、土に問題があるのです。枝だけを診ているとそれが理解できません。病気になるということは土壌に問題があるということ、つまり、人間にとっての土壌である腸内環境が健康状態であって初めて身体も健康になるということです。健康は土壌である腸からの贈り物と言えます。
アップルペクチンの力
アップルペクチンには静菌作用とガン発生の抑制効果があります。柑橘(シトラス)ペクチンや合成植物繊維比較すると5倍くらい力が強いことが分かっています。アップルペクチンの分子量小さくするとアップルオリゴペクチンになりますが、低分子化するほどに活性酸素消去能力が高くなります。また、加熱処理よって働きが高まります。よく熱したりんごや電子レンジで温めたり、アップルパイなどもいいでしょう。研究の結果、アップルペクチンが腸内の悪玉菌を減らして大腸ガンを抑制したり、肝臓を浄化してくれたりすることが分かったのです。
ペクチン(整腸作用)
水に溶ける食物繊維でりんごの皮に多く含まれます。便秘気味、下痢気味双方に効果があります。
クエン酸(食欲増進)
適度な酸味は胃の調子を改善し、気分をさっぱりさせます。二日酔いなどにも効果があります。
カリウム(高血圧予防)
カリウムを摂ることでナトリウムが体外排出されます。高血圧が気になる人には、特におすすめ。
ブドウ糖(栄養補給)
点滴などにも使われるブドウ糖は、栄養補給の役割を果たします。高齢者や病後など体が弱っている人に。
放射性セシウムの除去効果
このほどベラルーン放射線安全委員会によるベラルド研究所が発表した資料について私が翻訳したものを紹介します。アップルペクチンのセシウム137除去効果を見たものです。
チェルノブイリ事故で被ばくした子供たちへ「ベータペクチン」、これはビタミンとペクチンが入っているもので、アップルペクチンが約20%含有されているほか、ビタミンB1、B2、B6、B12、ビタミンC、ビタミンE、ベータカロチン、葉酸、カリウム、亜鉛、鉄、カルシウムなどを含んでいるものである。これを1日5gずつ2回食べさせて、16〜35日間服用させた臨床報告です。2001年にベラルーンのシルバースクリング保養地の615人の子供たちのベータペクチン服用21日後体内セシウム集積量の減少率は、食べる前に30.1ベクレルあったものが10.4ベクレルに、63.6%減少が見られた。放射線に汚染されていない子供たちは30.0から25.8ベクレルへと13.9%しか下がらなかった。アップルペクチンの効果といえる。たった1ヶ月での効果ですばらしいデータと思います。
それから子供たちがフランスの保養地に行った時の2004年のデータは、ベータペクチンを30日間服用した46人の子供たちの体内セシウム137が39.0ベクレル24.6ベクレルになり37%減少したが、普通の食べ物を食べたグループは29.6ベクレルが24.6ベクレル17%しか減少しなかった。ドイツ、スペイン、カナダに治療に行った子供たちではベータペクチンを25〜35日間投与した結果36〜53%の減少率だったという2007年のデータもあります。
ベータペクチンを体内に摂取することによってセシウム137が減少することを理論的にも証明されたことになります。また、普通の食べ物の摂取では体の中の放射線が69日間で半分になったが、ベータペクチンを食べた子供たちは27日間で半減しており体内被ばくが半分以下になるというデータもあるのです。
王林やふじに多いアップルペクチン
各種りんごのペクチンの含有量の比較を見てみると、品種によってずいぶん違いが見られる。王林が一番高く1.8%、レッドゴールド、ふじ、千秋、陸奥と続く。昔は0.2%ほどだった。今はペクチン濃度が高いのかなとびっくりしているところです。
福島原発の今後の課題は野菜などからではなく、海洋からの食べ物に放射能性核種が集積するのではないかということで注意が必要だろう。農作物のセシウム137の移行係数の幾何平均値をみるとずいぶん違いがある。白米はほとんど移行していない。牧草、キュウリ、白菜などは危険というデータです。外部被ばくは短期、内部被ばくは長期に影響を及ぼすが、私たちは目に見えない内部被ばくを予防し、身を護らなくてはなりません。
品種別ペクチン含有量(%)
| 王林 |
1.8 |
| レッドゴールド |
1.7 |
| ふじ |
1.5 |
| 千秋 |
1.3 |
| 陸奥 |
1.3 |
| 茜 |
1.0 |
| ジョナゴールド |
1.0 |
| スターキング |
1.0 |
| 紅玉 |
0.6 |
(青森県産業技術センター)
皮付きのりんごを毎日2個
我々は確認することのできない放射線核種の体内蓄積にどのように対処すべきか。被ばく予防の効果的な手段として、蓄積された放射性核種排泄のためにライフスタイルの中に規則的な方法を実践して自らを護るべく対処すべきであります。
(1)ペクチン含有の食品、飲み物の摂取を積極的に心掛けること(特にりんご、干しブドウ、ブドウ、海藻類にはペクチン質が豊富なので積極的に摂取する)(2)特に子供と妊娠した女性はペクチン含有食品を積極的に摂取する。(3)放射線核種で汚染された可能性のある住民は、非汚染のクリーンな食品類の摂取はもちろんであるが、極めて困難であるからなるべく繊維質の豊富な食品を毎日の生活の中に規則的にできるように工夫する。(4)特に有効性の高いリンゴペクチンの摂取が奨められるが、このペクチン質はりんご1個(約200g)当たり約0.2%(約0.4g)含むのでペクチン質の効果的な1日摂取量を2gとすれば、毎日りんごを5個食べることになるが食物繊維も存在することから毎日りんご2個程度が推奨される。(5)製品化されている低分子化アップルペクチン摂取ができれば理想的(6)野菜やきのこ類は水に浸す、茹でる、塩漬け、酢漬けにすることで汚染した放射性核種量を数分の一に減らすことができると考えています。
以上
ペクチンとは
・野菜や果実に含まれる食物繊維のひとつ。
・ガラクツロン酸という糖の一種がいくつも結合した物質(多糖類)で水溶性。
・オレンジ(柑橘類)から抽出したものはシトラスペクチン。主としてジャムなどを固めるために使われている。(食品添加物)
・りんごから抽出したものがアップルペクチンで様々な健康効果が認められている。
アップルペクチンの効能
・消化管の構造と機能を維持する。
・腸と肝臓の免疫機能を強化する。
・肝臓ガンへの転移を抑制する。
・細菌の血液内への移動を抑制し、敗血症のリスクを抑制する。
・血液改善効果が期待でき、生活習慣病や合併症の発生を防止する。
・医療費のコストの節減役立つ。
(健康医学 2011・2月号より)